学資保険だけで大丈夫?小3から始める教育費準備の新常識

注:本記事は2025年7月時点の情報に基づいて作成しています。商品やサービスの内容・料金等は変更されている場合がありますので、最新情報については各公式サイト等でご確認ください。

この記事では次のことがわかります。
・学資保険では不十分かもしれない理由
・新NISAで効率的に教育費を準備する方法
・リスク許容度別の最適な積立戦略

目次

子どもの教育費、準備は順調ですか?

子どもが小学校3年生になって
学資保険に入っておけば安心
と思っていませんか?

私も娘が小3になった時、妻から

みんな学資保険に入ってるから、
 うちも早く決めましょう

と言われ、返戻率108%の学資保険を
検討していました。

しかし実際に試算すると、
月3万円を10年間積み立てても
受取額は約388万円。

私立大学の費用450万円には
若干不足するものの、
それ以上に気になったのは
低すぎる利回りでした。

年収500万円の中小企業サラリーマンとして
「これで本当に大丈夫なのか?」
という疑問が湧き、

他の選択肢を真剣に調べ始めました。

そこで考えたのが、新NISAという選択肢です。

新NISAは高いリターンが期待できるものの
価格変動リスクが気になる、
一方で学資保険は安全だが利回りが物足りない。

そんな中で、
もしまとまった資金(独身時代の貯蓄など)
があれば、米国ストリップス債
参考選択肢として検討できることも
わかりました。

この記事では、
学資保険と新NISAを中心に徹底比較し、
あなたのリスク許容度に応じた
最適な教育費準備方法をご提案します。

また、まとまった資金がある場合の
参考情報として米国ストリップス債
についても触れています。

10年で450万円という明確な目標に向けて、
どの道を選ぶべきか一緒に考えてみましょう。

小3から大学入学まで:10年で450万円の現実

私立大学の費用を改めて確認してみましょう

私立大学の費用について、
最新のデータを確認してみました。

文部科学省「私立大学等の
令和5年度入学者に係る
学生納付金等調査結果」によると、

私立大学4年間の費用は以下の通りです。

学部系統4年間の総額
私立文系約450万
私立理系約600万
国公立約250万

私立文系を想定し、450万円
10年間で準備することを目標とします。

月額積立の必要額

450万円を10年間で準備する場合の
月額積立額を見てみましょう。

利回り月額積立額
0%(預金)月3.8万
2%(学資保険)月3.5万
4%(ストリップス債)月3.1万
6%(新NISA)月2.8万

年収500万円の家庭では
月2.5-3万円が現実的な上限のため、
利回り確保が重要な要素
となります。

学資保険の現実:安全だが目標達成は困難

学資保険の基本スペック

現在の学資保険市場では、
返戻率が105-110%程度の商品が
主流となっています。

ただし、返戻率は契約条件(払込期間、
受取時期、保険料払込方法など)
によって大きく変動するため、

個別の商品検討時には
必ず最新の資料でご確認ください。

一般的な学資保険の想定例:

  • 月払い保険料:3万円
  • 払込期間:10年(小3~高3)
  • 払込総額:360万円
  • 返戻率:105-110%想定
  • 受取総額:約378-396万円
  • 実質年利:約0.5-1.0%

学資保険のメリット

確実性と安心感:

  • 元本保証で確実に受け取れる
  • 契約者(親)死亡時の保険機能付き
  • 途中で止めにくい仕組みで強制貯蓄効果
  • 税制上の優遇(一定額まで非課税)

継続性:

  • 口座引き落としで自動化
  • 感情に左右されずに継続可能
  • 家計管理が簡単

学資保険の致命的な課題

我が家の積立能力では目標達成が困難

年収500万円の我が家では、
教育費として月3万円の積立が
現実的な上限です。

しかし、学資保険では10年間で
380-400万円程度の受取額となり、

私立大学の入学費用や4年間の学費を
考えると十分とは言えません。

インフレによる価値の目減り

さらに、現在の物価上昇率2%が続けば、
10年後の380-400万円の価値は
現在の約310-330万円相当となり、

実質的な価値の目減りも懸念されます。

我が家にとって、
より効率的な資産増加の方法を
検討する必要性を感じました。

私が学資保険を見送った理由:

私が学資保険を見送った最大の理由は、

我が家の積立能力では
 大学で必要な教育費に届かない

という現実的な判断でした。

限られた収入の中で、
より効率的に教育費を準備する方法を
探す必要があったのです。

新NISA:高成長期待の積極戦略

新NISAによる教育費準備の基本戦略

2024年から始まった
新NISAのつみたて投資枠を活用した方法です

新NISA活用プラン:

  • 投資枠:つみたて投資枠(年120万円)
  • 月額投資:3万円
  • 投資商品:
    eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)
  • 投資期間:10年間

新NISAの期待リターンと実績

過去データに基づく想定: 
全世界株式の過去30年
平均リターン(年率):約6-7%

私の実際の運用実績(2020年1月開始):

  • 投資商品:
    eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)
  • 投資元本:200万円
  • 現在評価額:285万円
  • 年率リターン:約7.3%

10年間のシミュレーション(年率6%想定):

  • 投資元本:360万円
  • 予想評価額:約480万円
  • 目標400万円を80万円上回る計算

私の想定している戦略 
娘の大学入学の2-3年前(高校1年生頃)から、
必要な教育費分を段階的に
現金化していく予定です。

これにより、大学入学時期の
市場暴落リスクを緩和できる
と考えています。

新NISAのリスクと対策

価格変動の現実: 
新NISAでの株式投資には
相応の価格変動があります

過去のデータを見ると、
短期的には大きな変動も起こりえます。

主なリスク:

  • 短期的な価格変動(年間±30%程度)
  • 教育費必要時期との暴落タイミング重複
  • 感情的な売買による失敗

対策方法:

  1. 教育費必要の2-3年前から段階的に現金化
    (私の実践予定)
  2. 暴落時の追加投資資金を別途確保
  3. 長期投資の原則を守り、短期変動に動揺しない

新NISAは高いリターンが期待できる一方で、
リスクも相応にあります。

私のように
多少の値動きは覚悟の上で、
 高い成長を求めたい

という方に適した選択肢です。

米国ストリップス債:まとまった資金がある場合の参考選択肢

米国ストリップス債とは?

もしまとまった資金(独身時代の貯蓄、
退職金、相続資金など)がある場合の
参考情報として、
米国ストリップス債をご紹介します。

米国ストリップス債(ゼロクーポン債)は、
利息の代わりに割引価格で購入し、
満期時に額面で償還される
米国財務省発行の債券です。

月々の積立投資には向きませんが、
まとまった資金を
一括投資する場合の選択肢

として検討できます。

基本的な仕組み

具体例で説明すると:

  • 額面100万円の10年満期ストリップス債を
    70万円で購入
  • 10年後に満期償還で100万円を受取
  • 差額30万円が利益(年利約3.7%相当)

参考として知っておくべき商品例

参考として、米国ストリップス債を
選んだ場合の例をご紹介します。

2024年の商品例:

  • 米国財務省証券(10年満期)
  • 購入価格:300万円
  • 満期償還予定額:450万円
  • 実質年利:約4.5%(税引き前)
  • 税引き後手取り額:約420万

この商品を検討した理由:
株式投資は変動が大きすぎて心配だが、
 学資保険では利回りが物足りない
という方向けのサードオプションとして
魅力的だったからです。

特に、今後の日本の財政状況や人口減少を
考えると長期的には円安に向かう可能性が
高いとも判断しました。

米国ストリップス債の注意点

まとまった資金での一括投資前提:

  • 月々の積立投資には不向き
  • 定期的な教育費準備なら
    新NISAの方が適している
  • あくまで余剰資金がある場合の参考選択肢

その他のリスク:

  • 為替リスク
    ドル建て商品のため、
    円高進行時は目減りリスク
  • 税金
    満期時の利益に約20%の税金
  • 信用リスク
    米国政府のデフォルトリスク
    (現実的には極めて低い)
  • 途中売却リスク
    満期前の売却は市場価格となり、
    元本割れの可能性

この商品は、
まとまった資金を持つ方向けの参考情報
として紹介しています。

多くの方の教育費準備には、
新NISAでの積立投資の方が現実的でしょう

あなたに最適な戦略はどれ?

安全性最優先(リスク許容度:低)

「元本割れは絶対に避けたい」という方

推奨戦略:学資保険 + 追加積立

  • 学資保険:月2.5万円(受取額約320万円)
  • 定期預金:月0.5万円(10年で60万円)
  • 合計:約380万円

この戦略の特徴:

  • 確実性は最も高い
  • 低リターンだがインフレリスクは残る

成長性重視(リスク許容度:高)

「短期的な変動は覚悟の上で、
 高いリターンを求めたい」という方

推奨戦略:新NISA(全世界株式)

  • つみたて投資枠で月3万円
  • 10年後予想額:約480万円(年利6%想定)
  • 最も高いリターンが期待できる

この戦略の特徴:

  • 最も高い成長が期待できる
  • 短期的な変動リスクあり
  • 教育費必要時期の2-3年前から
    段階的現金化が重要

参考:まとまった資金がある場合

独身時代の貯蓄などまとまった資金がある場合:

  • 米国ストリップス債への一括投資も選択肢
  • 月々の積立には不向き
  • 為替リスクあり
  • あくまで参考情報として検討

まとめ:学資保険を超える教育費準備を始めよう

学資保険と新NISAを中心とした
教育費準備について比較しました。

各戦略の10年後想定額

戦略想定額備考
学資保険約380万確実だが低リターン
新NISA約480万高成長期待、変動リスクあり
米国ストリップス債約420万まとまった資金がある場合の参考

重要な判断基準

あなたの価値観とリスク許容度に合った
選択をすることが重要です

判断基準:

  • 家計の月額積立可能額
  • リスク許容度(価格変動への考え方)
  • 夫婦の価値観の一致
  • 追加資金対応力

私の選択

妻との話し合いの結果、
新NISAを選択しました

学資保険では我が家の積立能力では不十分で、
 多少のリスクを取ってでも
 効率的に教育費を準備したい

という理由からです。

現在、月3万円を全世界株式に積立中で、
娘の大学入学2-3年前から
段階的に現金化する計画です。

今日から始める3つのステップ

あなたへの提案: 
まず、ご夫婦で「どの程度のリスクなら
許容できるか」を話し合ってください。

その上で、以下のステップで
行動を始めることをお勧めします。

今月中にできること:

  1. 家計の見直しで月の積立可能額を確認
  2. リスク許容度について夫婦で相談

来月中にできること: 

3. 選択した戦略に応じた口座開設
4. 少額(月5,000円程度)から実際の投資を開始

私も最初は
「失敗したらどうしよう」と不安でしたが、

実際に始めてみると
「思っていたより難しくない」と感じました。

学資保険だけでは目標達成が
困難な時代だからこそ、
新しい選択肢を検討する価値があります

子どもの未来のために、
今日から新しい一歩を踏み出してみませんか?

参考文献

  • 文部科学省「私立大学等の令和5年度
    入学者に係る学生納付金等調査結果」
  • 金融庁「新しいNISA」

注:投資判断は自己責任で行ってください。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。為替リスクや信用リスクについても十分ご理解の上、投資をご検討ください。

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